貯金箱はなぜ豚?由来は中世イギリスの「聞き間違い」だった

ピンクの背景に置かれた豚の貯金箱

「貯金箱ってなんで豚なんだろう?」

ふと気になって、貯金箱はなぜ豚なのか、その由来を調べてみました。

考えてみると不思議です。猫でも犬でもなく、ましてや牛でも鳥でもなく、なぜ豚。日本で豚を飼っている家庭はほぼないのに、貯金箱と言えば豚の形を思い浮かべる人が多い。

調べたら、これがけっこう面白い話でした。

目次

結論:貯金箱はなぜ豚?中世イギリスの「聞き間違い」から生まれた

先に結論を言うと、豚の貯金箱は14世紀のイギリスで生まれました。

しかも、誕生のきっかけは職人のたった一度の聞き間違い。偶然から始まったはずなのに、結果的に世界中の「節約・貯蓄」の象徴になっていったのです。

一体、何をどう聞き間違えたのか? そして、なぜ偶然なのに、これだけ広まったのか? 順番に見ていきます。

豚の貯金箱の由来① 「pygg(赤土)」と「pig(豚)」の聞き間違え

中世のイギリスでは、人々は小銭を「pygg」という赤土でできた粘土の壺に入れて貯めていました。pyggは陶器を作るための、ありふれた素材だったそうです。

ある時、職人が客から「pyggの貯金箱を作ってくれ」と注文を受けます。

でも、pygg(赤土)とpig(豚)は発音がほぼ同じ。

職人は「pig(豚)の貯金箱を作ってくれ」と聞き間違えて、本当に豚の形に粘土を成型して焼いてしまったのだそうです。

普通ならクレームになりそうな話ですが、これが意外と評判が良かったようで、そのまま広まっていったというのが現在の定説です。

ただ、聞き間違いがここまで定着したのには、もう一つ理由がありました。

参考:貯金箱はなぜ「豚」なのか | テンミニッツ・アカデミー

豚の貯金箱の由来② 豚は欧米で縁起のいい動物

ピンクの豚の貯金箱がいくつも並ぶパターン画像

聞き間違いから生まれたとはいえ、豚の貯金箱が広まったのには理由があります。豚は欧米の文化で、もともと縁起のいい動物だったからです。

多産=財産が増える象徴

豚は一度に10頭近くの子豚を出産します。「子どもがどんどん生まれる=財産がどんどん増える」として、繁栄の象徴とされていました。

無駄なく使える=無駄遣いを避ける

豚はお肉だけでなく、皮・骨・内臓まで余すところなく使える動物です。「無駄を出さない」という意味でも、貯金箱にぴったりだったわけです。

聞き間違いから始まった偶然なのに、「貯蓄」「無駄遣いをしない」というメッセージに、たまたま完璧にハマってしまった。だから定着したのかもしれません。

では、ヨーロッパで生まれた豚の貯金箱は、日本にどうやって広まったのでしょうか?

参考:Vol.13 番外編:貯金箱はどうして豚の形? | 四銀ルーム

日本での豚の貯金箱|実は1961年から定着した

ここまでヨーロッパの話でしたが、日本で豚の貯金箱が広まったのは、実はわりと新しいことなんです。

調べたところ、決定打になったのは1961年(昭和36年)に三菱銀行が新規口座開設のノベルティとして配布した「ブーちゃん貯金箱」だそうです。

その数、なんと140万個。当時の日本の人口や預金者数を考えると、相当な数の家庭に豚の貯金箱が届いたことになります。

「貯金箱=豚」のイメージは、欧米から自然に伝わってきたわけではなく、実は銀行のキャンペーンによって広まったイメージだったわけです。

参考:貯金箱 – Wikipedia

豚の貯金箱の由来を調べて、節約への見方が変わった話

調べる前は、「豚の貯金箱=昔からの伝統」だと思い込んでいました。でも実際は:

  • 中世イギリスの聞き間違いから始まった偶然
  • 日本では1961年以降の、わりと新しい習慣

「みんな当たり前に思っていること」も、調べてみると意外な背景があったりします。

これは節約にも通じる話だと思いました。「節約は我慢すること」「節約は地味で楽しくない」と思っている人が多いけれど、本当にそうでしょうか。

私自身、節約を「楽しいゲーム」として捉えるようになってから、気づけば1,500万円貯まっていました。詳しくはこちらの記事に書いています:

「みんなそう思ってる」は、必ずしも正しいとは限らない。豚の貯金箱の由来を調べていて、改めてそう思いました。

まとめ:貯金箱はなぜ豚の形なのか

豚の貯金箱の由来を整理すると、こうなります:

  • 14世紀イギリスで、職人の聞き間違いから誕生
  • 「pygg(赤土の壺)」と「pig(豚)」の発音が似ていたため
  • 豚は多産と無駄のなさから、欧米で縁起のいい動物だった
  • 日本では1961年、三菱銀行のノベルティとして140万個配布されたのが定着のきっかけ

ちなみに、英語ではピギーバンク(piggy bank)。「子豚の銀行」という意味で、世界中で同じ呼び方が使われています。

次に貯金箱を見るとき、ちょっとだけ違って見えるかもしれません。聞き間違いから始まった偶然の傑作。ピンクの豚には、500年以上の歴史があったというお話でした。

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